11月11日は子供にとって重要な日である。シントマールティンというオランダでいうハロウィーンみたいな日なので、子供はランプを持って練り歩き歌を歌ってお菓子をもらうのだ。これはシントマールティン(ローマンカトリックの聖人)が行った善行と、大きな町の貧しい人達が収穫の終わった農家や裕福な家に物乞いに行く風習から始まったらしい。ハロウィーンのように派手な仮装はなく、歌をうたうかわりにお菓子をもらうあたりがオランダらしい。この日の為に子供達はランピオン(提灯)を手作りしたり歌を練習したりするのだ。
パスカルにも初めてのシントマールティンを参加させようと一緒にランプをつくったり歌を仕込んだりしていたのだが、11日当日は嵐のような最悪な天気。。。風は強いし雨は降るし、外にいるのが危ないくらい。こんな嵐でもオランダの子供は出かけるに違いないと思い、子供がきた時の為のお菓子を買っておこうと仕事の帰りにスーパーに寄るとお菓子が嘘のように品薄になっていた。スーパーからの帰り親に連れられた小さい子供を2人くらい見かけただけで我が家には誰も子供は来なかったし、私たちもハロウィーンに参加したからシントマールティンはスキップすることにした。
次の日窓から外をみてびっくり。いつも運河の側にとめてあった我が家のバックフィッツがないのだ。どうやら強風で運河に落ちてしまったらしい。ロックを2つしていたおかげであんなに派手な落ち方したのに擦り傷少しですんだのは幸いだ。ヘンリーも近所のおじさんに手伝ってもらって自転車を引き上げあっさり仕事に行った。
こんな事故やピアがはじめて病気になったりしてバタバタしているうちにオランダのサンタクロースが町にやってきた。オランダのサンタクロースはシンタクラースと呼ばれていて、11月に船に乗ってスペインからやってくる。ピートと呼ばれるアシスタントを100人以上連れて町を練り歩き良い子にペパーノーテンと呼ばれるクッキーを配るのだ。このパレードにヘンリーのところの色々な自転車が毎年使われる(パスカルにばれてなかったらいいが)ピアの病気も治ったので雨は降れどもパスカルを子供用自転車に乗せて家からゆっくり歩いてパレードを見に出かけた。パレードには消防車やはしご車、クラッシックな馬車やアメリカのパトカーなど、子供用のパレードだけあって楽しい乗物がいっぱいあった。ピート達もヘンリーの自転車に乗ったりインラインスケートをはいてたり、一輪車やスクーターなど様々な乗物に乗っている。ボランティアでピートに変身してパレードに参加していたヘンリーのとこの従業員リシャード君が、パスカルを見つけて「やあ、パスカル」と声をかけてきた。顔を黒く塗ると性別もわからないくらいになるのでパスカルにばれることはなかったが不思議に思ったに違いない。たくさんのペパーノーテンやグミが配られ、雨にもかかわらず子供達は楽しんでいた。しかしこの日だけはパスカルはペパーノーテンの食べ過ぎでシュガーハイになった。
いつものようにパパのヘルメットをかぶって