最近外国人である事をよく再認識させられる。1週間に立て続けに外国人アーティストだからという理由でいろんな人から連絡があったりした。そしてその人達もオランダに住む外国人だったり。同じ立場の者として日本人アーティストがどのようにオランダで活動しているのか興味があるのだろうか?たとえばイラン人アーティストが電話をかけてきて弁護士事務所の為にドキュメンタリーを撮るので参加しないかといってきた。どうやら2008年に私のような外国人フリーランサーに対する滞在許可の法律が変わるらしい。その為私がお世話になった弁護士事務所はその法律に関するカンファレンスを行うそうだ。そこで滞在許可を得たアーティストがどのように活動しているか、もしくはどんな作品を作っているのかをビデオにして上映するといういきさつらしい。私の作品は2004年の「Cubic World」をきっかけに自己の存在、アイデンティティー、社会の一員であること等が焦点になってきた。この作品を作っている頃は滞在許可の結果待ちの最中でいつもナーバスで不安定、寝れない夜が多く恋愛もいろいろ訳あってどろどろしていた。日本に帰る事も何度か考えたし別の手でオランダに残る事も何度も考えた。もしこのような時期がなかったら今のような作品はなかっただろう。
他の外国人住居者はどのような経験をしているのだろうか?
ちょっと前ネットで調べものをしているとき塩田千春のサイトを偶然みつけた。彼女の作品を実際にみたことはないが以前何かの展覧会で名前をきいたことがあった。経歴をみてみると同じ年頃、ドイツ在住のアーティスト、パフォーマンス作品を作っているなど自分と重なる部分が多い。彼女のインタビュー等を読んでいると人ごとに思えないくらい共通点があった;ドイツに住んでいることで日本人アイデンティティーについて考えさせられたり、引っ越しの繰り返しで自分の居場所がわからなくなったり、不眠に陥ったり。それでも作品は全く違うものなので面白い。