アスリートキッズの生活2

長いトレーニングをこなす日々

2019年9月現在11歳の男の子(P1)と9歳の女の子(P2)を持つ日本人母のアムステルダム・アスリートキッズ生活を綴った独り言です。

夏休みが終わり子ども達のトレーニングのメニューが変わった。P1は自転車ロードレースのシーズンが終わったのでベロドロームでのトレーニングに参加し、P2は別の場所で新体操のセレクショングループ(大会などに参加するメンバー)のトレーニングに参加し始めた。

P1は冬にはベロドロームでのプログラムに参加する。プログラムはレベルに分かれて1時間づつ行われ、P1は18時半から19時半のグループに参加する。19時半のトレーニングを終えて家にたどり着くのは21時近い。今はアムステルダムでのトレーニングだけだが、10月からはアルクマールのベロドロームでのトレーニングも始まる。そして週末にはなんだかのレースに参加するので土曜日はだいたい朝から出かけている。それに加え、最近ボルダリングのレッスンも始めた。これは2時間のレッスンで、上半身も使って体全体を鍛えるので自転車と良いコンビネーションのようだ。レースがない週末には父親とクライミングやボルダリングにも出かけて楽しんでいる。学校での体育の時間も合わせると体を動かさない日はない。

P2は夏休み以降新体操の練習メニューが変わって生活が大きく変わった。週に2回5時から8時まで3時間のトレーニングがあり、毎回ヘトヘトになって帰ってくる。このグループはナショナルレベルの大会に出るので、2月から新体操を始めたP2が追いつくためにいっぱいトレーニングをしないといけないが、コーチ達はP2が思ったより早く追いついてきたので嬉しいようだ。週末にもトレーニングができないかと打診してきたが、親としてはまず今のリズムに慣れることが大事だと思ったので、様子を見てからトレーニングを増やしたいと答えた。P2はトレーニングを始めて熟睡するようになり、トレーニングがない日は家で過ごしたいと言うようになったが、きっと筋肉痛やハードな生活で疲れるのだと思う。家で過ごす時の楽しみはお菓子作りで、自分で考えたレシピのケーキやクッキーなどを作っている。

どちらの子どももトレーニングがあるので、親の私たちは手分けして送迎をしている。週末の自転車レースに私が行かないといけない場合もあるが、今はP1が自分の自転車の準備や電車のことなど、ほとんど自分でできるようになったので助かっている。片方がトレーニングがある日は学校から帰ったら早めのディナーを食べさせて、帰宅したらすぐに寝れるように夕食は早く作る。旦那はP1のチームタイムトライアルのコーチなのでどうしても行かないといけないし、車がないのでバクフィッツで送迎したり子供と並んで自転車に乗ると1日30km近く自転車で走っていることはよくある。親にとってもトレーニングみたいなものだ笑

アスリートキッズの生活1

学校だけが全てじゃない

現在10歳の男の子(P1)と8歳の女の子(P2)を持つ日本人母のアムステルダム・アスリートキッズ生活を綴った独り言です。

P1の専門は自転車。自転車を乗り始めたきっかけは父親がアムステルダムで自転車業をしていることもあるが、1歳半から自転車を乗り始め驚くべきバランスと鋭い観察力でロードバイク、マウンテンバイク、ベロドローム、BMX、一輪車を乗りこなし、日々技の習得を楽しんでいる。

P2の専門はダンス。2歳から幼児ダンスを始め、クラッシックバレエ、モダン、シアターダンスを経験後、今はストリートダンスと新体操の練習に日々取り組んでいる。即興で踊るのが大好きで柔軟な体が自慢。

二人はオランダのモンテッソーリ式小学校に通っており、学校が終わるとそれぞれの活動に励む。例えば火曜日はP1は所属するサイクリングチームとの練習があり、P2はストリートダンスの練習がある。わたし一人では送迎ができないので旦那が仕事から早めに帰って来てP1の練習に連れていく。木曜日はわたしが外で仕事があるので、旦那が学校から子ども達のお迎えし、P1が自転車を競技用に乗り換えて、P2をバクフィッツ*に乗せて12キロ離れたP2の新体操の練習場まで連れていく。その後P1を自転車の練習場まで連れて行った後にそれぞれ練習が終わった子ども達を迎えたあと家まで帰るというハードなスケジュール。そして週末にはP1の自転車レースがあるので旦那がオランダ各地にP1を連れて行き、P2は家でフリーダンスを楽しんだりトランポリンに行って技を特訓したり。P1のレースのシーズンになると家族4人で揃う日がほとんどないという状態。それでも子ども達のスポーツをサポートしているのは、スポーツを通じて学校では得られない貴重な経験をしているからである。

例えばP1は学校では控えめで皆の前で発表するのは苦手。友達は多い方ではなく、少人数の親友とだけ遊ぶタイプ。学校で静かな感じなので、一時は学校に相談してシャイな子どものためのプラグラムに参加させたりしていた。

自転車関係の仲間の中でのP1は少し違うようだ。P1は7歳からオランダの自転車レースに参加しているため、今ではレースで会う顔見知りが多い。レースが終わるとお互いの自転車の技を見せ合ったりおしゃべりをして楽しそうである。レース自体は40分くらいなのだが、それ以外はず〜っと遊んでほぼ半日を過ごす。P1の性格はこのグループ中でも大きく変わることはないが、P1がレースで1番になったり難しい自転車の技を練習していることを認めてもらっているようだ。そして自分ができない技をする友達のことを目をキラキラさせながら話してくれることもある。自転車という共通の興味から友達になったが、その他の違いもお互い受け入れられる仲間になっていったようだ。レースに出場し始めて以来そこから得る自信が学校生活に少しずつ影響しているのを感じる。自分のクラスに同じように遊ぶ友達がいないからと誘うのを止めてしまったP1だったが、今では放課後に学校の友達とスケボーパークにいく約束をしたり、週末に学校外の友達とBMXコースに行く約束をしたり忙しい。学校で自転車好きがいないおかげで友達の幅がより広がったようだし、学校以外の友達も作るようになった。

P2についてはどうか。P2は今では社交的でおしゃべり好きな明るい性格だが、小さい頃はオランダ語でうまく表現できず、クラスではとても無口だった。自分が注目の的になるのを避け、何をするにも恥ずかしがっていた。2歳になってから近所の幼児ダンスに通い始めると、音楽にあわせて踊ることを楽しみ始めた。3歳の頃のお気に入りは白鳥の湖。長いダンスのビデオを観ながら真似したり、3時間近くあるバレエをシアターで鑑賞したり、好きなことにどっぷりはまっているようだった。4〜7歳は色々なダンスを体験させていたが親として少し物足りない気がしていた。というのも、ダンスを習うとどこでも学年末に発表会があるのだが、人に見せるために集中して練習するチャンスが1年に1回の発表会前だけなのだ。もちろんP2は自分なりに完成させたダンスを披露してくれるのだが、いつも緊張感を持ってダンスをするとどれほど伸びるのだろう?コンペに出るならP2はもっとやる気が出るんじゃないか?

その思いからP2に勧めたのは新体操。本人も体操と新体操の体験レッスンを受けて新体操が気に入ったようだった。新体操はかなりの柔軟性が問われ、音楽のリズムをつかみ柔軟に踊りつつ、かつボールやリボンなどの道具も使いこなさないといけない。P2にとっては今までの経験の総合であり、しかも選ばれれば大会に出場するチャンスもある。P2はリクリエーションレベルからスタートしたが、柔軟性を認められ大会に出場できるレベル1にすぐに上がった。それでも練習は週に2時間しかないので、家で毎日のように自主練習している。そして学校の自由発表では自分で考えた創作ダンスを一人で披露するほど自信がついたようだ。

このように好きなことから発生する自信が子ども達のメンタルの発達に大きく関係していることがわかる。私自身小さい頃はピアノ、手芸、料理などスポーツ以外のアクティビティーしか手軽に参加できなかったが、それはそれで楽しんだし器用になったと思う。しかし私の幼少期は習い事で競争する環境がなかったし、自ら進んでしようとも思わなかった。しかし我が子の経験から子どもには少しの緊張感や競争があるとさらに伸びると確信したのである。今我が子に良い環境を整え十分な精神面の成長が感じられるので、学業は学校に任せるとして、母親の私は食事や健康面でのサポートに徹している。

エコ家族の引っ越し

2017年のはじめに家族で引っ越しという大きな変化があり、いまやっとBlogをアップするくらいの余裕が出てきた。単身での引っ越しは何度も経験したが、家族で引っ越しを経験するのはこれが初めて。単身との大きな違いは、物の多さと限られた時間。子ども用品はできるだけすぐ処分していたが、オランダで人気のMarktplaatsという中古品売買のサイトはどうしても好きになれず、処分しないまま放っておいた物も多々。物を捨てるのは大嫌いだけど新しい家には入りきらないので、重い腰をあげて処分をはじめた。

そこでみつけたのがFacebookの中古品売買ページ。アムステルダムローカルのものに参加すれば送料が発生しないのでエコフレンドリーでもある。そこのメンバーは特に良い人達ばかりで、Marktplaatsでの嫌な思いをせずに売買できた。子育てしながらだと売買に時間をとられたくないが、このページを利用すれば朝に売り出してその日にピックアップされるというスピード。これを大いに利用して短時間でたくさんのものを売った。

それでも売れないもの、売るには申し訳ないものに関してはリメイクをして再利用した。例えば我が家にあった二つ目のベッドはどうしても新しい家には入らないし、買い手もいなかった。ならば他の物に作り替えよう!とベッドの枠は家具作りの素材としてつかう為に分解し、ふとんマットレスは丸めて子供部屋のソファーにしてみた。

ふとんマットレスをシーツと丸めてバンドでとめると、丁度いいソファーに早変わり。それにゲスト用のマットレスにもなる。リサイクルを超えた見事なアップサイクル!と自画自賛。ちなみに子供部屋のカーテンも古いものをリメイク。以前つかっていた白いカーテンはこの家の窓には短かすぎたので、他の布を継ぎ足して再活用。この継ぎ足しの布も新しく買っておらず、前の家で階段の下に貼っていた布w クッションカバーまでこの布で作れた。

こども部屋は殆ど整い子ども達は快適にすごしているが、新しさがほしかったのでベッドカバーを新しくしてみた。この2枚のこども用ベッドカバーは大人用のカバーからリメイクした。もとはHAYのキングサイズもので、こども用でこのデザインはなかったし、1枚のカバーからこども用が2枚と枕カバーまで作れるのでかなりお得。

前からリサイクル&エコが我が家では普通だったが、引っ越しの作業でもこれを徹底した。引っ越し用の箱やパッキングマテリアルは全く買っておらず、ゴミとして出ていた物を拾ったり、旦那の店でつかった後の物を利用した。

店ではもう捨てるだけの箱やエアーパッキンがもう一度つかわれてリサイクルされる。このランドリーバッグも十数年もつかっている。

 

そして物を運ぶ作業も自転車で。旦那が作ったトレーラーを自転車につけて何回も往復した。新しい家まで600mしか離れていなかったのが幸い。単身の時は引っ越し全てを自転車で運んだものだが、家族の荷物は相当多くトラックを借りなければ到底無理だった。

旦那は旦那でもっとエコ。新しい家にあわない家具は備え付けの家具を作る為の素材として全て再利用する。私たちが出た後に家を解体することが決まっていたので、許可をもらってドアや床、使える木材はすべてもらっていた。このため新しい家のベッドルームは素材置き場となってまだ使えない。素材を再利用するには新しい物をつかうより時間がかかるのも分かっているので、ベッドルームはしばらくつかえないだろう。それでも無駄なく物を利用するほうが私たち家族に合うのだ。

 

 

子どもの言動にはちゃんと理由がある

もう9月も終わろうとしている。最後にBlogを書いたのが半年前だなんて。。

最近は限られた時間を帯制作に向ける為、買い物や掃除、コンピューター作業を最小限にしてすごしてきた。だが、Blogは自分の心の整理でもあるし子どもの記録でもあるので、なるべく続けたいものだ。

最近確信した事がある。

P1が9月に入って水泳をひどくいやがるようになった。旦那が嫌がる背中を押してどうにか連れては行く。P1は飛び込みさえできれば#終了テストを受けられるので練習してほしいのだが、飛び込みに積極的ではない。P1は新しい事にネガティブで消極的なところがあるので(私に似たのだろう、、泣)旦那は「またそれか、、」とうんざり。わたしは新しい事を怖がる/表現する事に対して否定したくなかったので、旦那と意見が対立していた。

先週私がP1を水泳に連れて行った時、P1が耳の痛いといってレッスンの途中で帰ってきた。プールからあがると機嫌もいいので半信半疑ながら医者に見てもらう事を決めた。

医者からは外耳炎だと言われ、ステロイド入りの点耳薬を処方された。水泳後に耳に水が入ったのままだったか、長く鼻水がでていたので炎症を起こしたのかもしれない。P1はかなり痛くなるまで耳の事を訴えなかったので、私たちがいままで気がつかなかったのだ。子どもにとって小さな変化に自分で気がつく事がまず難しいし、P1はそれを日本語でうまく訴えられなかったのだろう。そういえば耳がどうとか言っていたけど、意味が分からず聞き流した覚えがある。点耳薬をはじめてからP1はだんだん機嫌がよくなり、最近何に対しても消極的だったのは病気のせいだったのがよく分かった。それを性格だと決めつけていた事を反省した。

子どもは自分を理解したり思いを表現することを少しずつ習っている。大人の私にもまだ難しい事である。なので子どもの変化に気がつくようよく観察する事、子どもが何かを訴えた時には十分耳を傾けて、それを表現するのをサポートする事が親の仕事だと改めて感じた。そうしていたつもりだが、そういう性格だと思い込んで子どもから聞かなかった事も多かったと思う。

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↑1年前のポストイットを使ったお手紙ごっこ。主語が抜けているので理解するのもお返事書くのも難しい!これは「宿題が全部正解か」を聞きたかったらしい。漢字を習っている今はもう少し具体的に書けるはず。日本語でのコミュニケーションはゆっくりながら前進中。

#終了テスト:オランダの学校では水泳レッスンはしないので、子ども達は地域のプールで有料レッスンを受ける。A,B,Cレベルの終了証書をもらうには最後にテストをうけなければならない。P1はBレベルのレッスンを受けていて、着衣のまま飛び込み、着衣泳、6M先の輪をくぐるなどのタスクがある。

弁当文化

9月からP1の補習校がはじまった。P1はまだ幼稚園で言う年長さんの歳だが、アムステルダムの補習校ではこの年齢対象にプリクラスというクラスが9月から3月まで毎週土曜日にあり、小学1年生になる前にひらがなや日本の学校の習慣に慣れさせる、というクラス。オランダにあっても日本人小学校は日本の教科書を使い、日本らしい黒板や机の並んだ教室で授業をするのである。

オランダの学校と全く違うもののなかに、運動会、朝礼、宿題、上履き、名札などがあるが、日本らしい弁当を持って行く事も大きな違いだ。いままでサンドイッチのランチしか食べた事がなかったP1が、土曜日のおにぎり弁当を完食してくれるので作りがいもあるし、週に1回なので楽しんで弁当作りをできる。

弁当をつくる事で今までのランチを見直すきっかけにもなった。オランダでは朝も昼も内容にあまり違いのない食事になりがちだ。我が家の子ども達の朝食にはヨーグルトとパンにジャムやHagelslagというチョコレートのふりかけの様なものを食べる。ランチもクラスの皆がパンを持ってきているようなので、やはりパンになる。できればパンをなくしておにぎりの弁当にしたいところだが、他の子に何かいわれることもあるようなので子ども達が食文化に寛容になるまで少し我慢。しかしパンに挟むものといったらよく食べてくれるハムや、やはりジャムやらHagelslagになりがちだ。弁当を作る日に野菜やお肉、魚もいれると何でも食べてくれるのだから、毎日少量でいいからパン以外のものを入れるようにしたら、それも完食するようになった。

うちの子ども達が好きでオランダで手軽に買える弁当のおかずは、fishstick, チキンナゲット、ソーセージくらいしかない、、、。これらの食品は添加物が使われやすいので、我が家ではなるべくビオもものを買うようにしている。できれば自分で作って冷凍するのが一番。ミニハンバーグやお芋の肉巻き、茹で野菜をかわいい形に抜いたものなど。前日はゆで卵、ゆで野菜などを用意しておいてけば、当日は卵焼きやおにぎりをつくって詰めるだけ、のはずがなぜか大変。それでも日本のかわいい弁当アクセサリーを使ったりしていると、遊び心がでて楽しくなってくる。

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私がオランダに住んでよく恋しく思うのが日本食である。手に入らない食材もあり、旦那のアレルギーもあって自分の好きな食べ物を毎日食べているわけではないからだろうか。以前日本に住んでいたオランダ人の友達と喋っている時、日本でオランダのパンが一番恋しかったと聞いて笑った。あんなに何でもある日本でもオランダのパンが良かったらしい。新聞の記事で、オランダ人が旅行中に一番恋しく思う食品の一位はチーズ入りのパンだ、というのを読んだ事がある。人の味覚の記憶は根深いものだと驚かされる。

なので私の子ども達にも今、いろんなものを食べさせて思い出の味の幅を広げさせたいと思う土曜日の朝であった。

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こうしてみればおかずのレパートリーが少なすぎる(泣)もっと日本の弁当を研究しなければ!

 

日本で夏休み 2014年

日本で夏休みを終えオランダに帰って来て数日後、広島での土砂崩れのニュースを聞いた。数日たつ今でも行方不明者の捜索を続けているという。家族は無事だといっても生まれ育った地で災害が起こり、今は連絡先もわからない同級生や友達のことを思うと胸が痛む。亡くなられた方がたのご冥福をお祈りしこれ以上雨が続けて降らない事をお祈りします。

その日本での夏休みは子ども達にとって実り多いものとなった。

p1_kongara 「こんがらがっち」が好きになったP1の新しい遊び。

2年前は母の住んでいる田舎に小さな子の遊び場が少なくて苦労したが、少し成長した我が子たちには水辺が最適な遊び場だった。ちなみにP1水が大っ嫌いで風呂にも嫌がらずに入った事はないくらいだが、今回の日本滞在で水に慣れた事が大きな成長だった。

日本の夏と水は切っても切れない関係である。どんなに暑い夏だって水に入っていれば大丈夫だし、滝や川などの水場も多い。私たちが今回遊んだのは三郎の滝 や 妹背の滝すなみ海岸公園 などで、大人でも水遊びが楽しめる場所。子ども達はいっぱい遊んで水と親しくなり、お風呂も楽しんでいた。広島だけ滞在していたが子ども達の従兄弟ともいっぱい遊べたし、私の大学時代の友達とも会えたし、同じくらいの年齢の子どもとも遊べた。滞在中P1は毎日「きょうは何するの?」とワクワクしながら聞くのが習慣になった。

 

だが日本ならではの問題もあった。虫さされへの予防やケア、野生の動物への注意、乗り物酔いなどである。母のアトリエが広島空港の近くにあるので広島まで飛行機を2回乗り継いで行ってみたが、子ども達が乗り物に酔いやすくなっている時に飛行機3回と電車の移動は厳しすぎた。全ての飛行機でP2が吐いて親子ともドロドロ、乗り換えの電車でP1が気分悪くなって吐く、などの嘔吐続きだった。殆どの車での移動中P1は酔い止めを飲んだにもかかわらず嘔吐。それにP2は虫さされに敏感で痒みが続くので、とびひによる感染も心配したし、なにしろ自分自身が虫にさされやすい事も乗り物酔いする事も思い出さされた。一番怖いのはムカデや蛇。。。避けられないけど遭遇したくないものだ。

子ども達は食べ物の好き嫌いや生活の違いを克服しながら少しずつ日本のことを好きになってくれている。ハイシーズンに3人分の飛行機代も大変なのだが、元気に帰ってくる事が家族への孝行とも思うので、家具や洋服を買う事より優先である。子どもが小さいので無理しない範囲で行動しているが、将来広い日本を一緒に見て行く事が私の楽しみであり、子ども達にとってその経験はなによりも価値があることだと信じている。

 

忙しい4歳

P2が4歳になる誕生日の2週間前から、私は大忙しであった。

何が忙しいかって4歳の誕生日に皆に配るトラクターチ(振る舞い)作り。この国では自分の誕生日にケーキを配る習慣があるので、P2(の親)がそれを用意するのだ。トラクターチはケーキ等の食べ物の場合もあるし、食べ物と小さなプレゼントを両方する人もいる。親が様子を見れない託児所とかの場合、託児所でお友達からの食べ物のトラクターチをもらってもその時に食べてしまうので、親に頂いたという事は伝わってこない。私はP2が持って帰って来るお友達のトラクターチをみてわかる事が多いので、プレゼントは必ず用意するようにしている。

P2は4カ所のグループに所属しているので、そこで関係する子どもの数は60人、、、オランダでは4歳になると誕生日の次の日から学校に行くので、おめでとうとさよならの二つの意味がある。P2も託児所、ダンスレッスン、プレイグループとお別れになり、新しいグループに参加する事になる。しかし60人分にもなると素材探しを何回もしないといけない数だ。作るもののプランが決まっても材料が手に入らない事もあるのを考えて、制作を早くから始める事がこの国でのルール。

今年は自分が一時期楽しんだポストイットアートができるように、プレゼントにはポストイットをあげることに決めた。こういう時いつもお世話になっているHEMAで星とハートのかわいいポストイットがあり、まずは1店舗で全部買い占めた。それでも足りなかったので他の店で補充、つでにパッケージ用の文具や誕生日会の為のパーティー用品も買う。

作ったものはこれ

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P2の描いたバーバパパのイラストや子ども達へのメッセージを入れて、A5サイズの紙にプリントにしてA5用のファイルホルダーにいれてラッピング。この写真ではわからないが、これを同じHEMAで買ったプリント付きの画用紙に印刷したので、裏側がかわいいのがよい。食べ物を配りにくいグループにはこれにまたまたHEMAの箱入りお菓子を和紙テープでくっつける。

これでプレゼントの用意は終わりだが食べ物作りもまだある。P2の託児所ではトラクターチに飴やチョコレートなどの甘いものが禁止なので、寿司にしてみた。

p2_tractatie2 キャラ弁にはほど遠い、、、

次の日はプレイグループ。小さな子が多いので噛み切れない海苔はやめて押し寿司に。

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次の日はダンスグループに。そして午後は日本人幼稚園でお菓子付きのプレゼントを配る。

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P2が書き溜めたバーバパパが役立つ。

そして週末にある誕生日パーティーの準備。P2は早くからダンスパーティーをしたいと言っていたので、通っているダンスの先生にパーティーで指導していただくようお願いしてみた。それだけでは足りないので、先生が来るまでに冠と刀を子ども達に作ってもらい、それをもってダンスをするというアイデアになった。こういう工作の準備はたのしい♪ 子ども達の世話の合間を見て買い物、工作準備、スリンガー作り、ケーキ作りをする。

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旦那が広いお店を持っているとパーティー時に役立つとは!誕生日当日、子ども達と早めにダンスの為のスペースを作ってパーティー開始。オランダでは4歳以降の誕生日は子どもだけを招待したパーティーが多いが、P2には小さなお友達も多いので今回は保護者付き。子ども達が集まったところで工作を始める。

p2_swanlake  SwanLakeのポーズを披露するP2

工作の間中ずっとP2は踊っていて、ダンスの時間でも楽しんだよう。準備が大変だと思われるかもしれないが、早くから準備始めたのとダンスはプロに任せているのとパーティーの段取りがうまくできていたのとで、親の私たちもパーティーを十分楽しんだ。

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p2_bedroom

P2ちゃん、おめでとう!オランダでは4歳になった次の日から学校がはじまるので、4歳の誕生日は忙しいけど大きなステップなのだ。

 

 

 

Meivakantie

オランダでは4月の終わりから5月のはじめは忙しい。4月の中頃の週末にイースター、4月26日が王の日、その後に二週間の五月休みがあり、それに伴ういろいろなイベントもあるからだ。イースターに息子の学校ではクラスメイトといっしょにブランチをとる。子ども達は事前にくじをひき、その友達の為にランチとその入れ物を作ってあげるのだ。毎年いろいろに飾ってある箱を見るのが楽しみだし、そのお友達の為にアイデアを考えて作る事も楽しみ。P1はまだアイデアを考えるのは難しいので素材選びは手伝うが、作るのは本人にやってもらう。今年はオアシスに飾りをさして簡単にアレンジできるような素材を選んでみた。ユーカリの葉は枯れてもほぼ同じ緑色のままだし、香りもよいので造形教室でもよく使う素材。それに造花やひよこも加えてみた。

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P1は道具を使う事に興味をもって、ペンチやグルーガンを自分で使った。よく遊ぶ女の子のお友達へ作る事になっていたので、彼女が何が好きか考えてそれをお絵描きしたり、ステッカーで卵の飾りを楽しんだり。蓋の側面はフラッグのように和紙テープを切って貼っていったが、色をきっちり順番に並べて貼るあたりにP1の性格が現れる。普段から作った折り紙を貯めているので、それに絵を書き加えて内側に飾ってみる。中身には子どもが自分で選んだメニューを作って入れてあげるのだが、食べ物の飾りにウサギのジュースカバーを作ったりバナナにタトゥーをしたりして私が楽しませてもらった。

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皆の箱が集まると賑やかでわくわくしてくる♪ P1は興奮して朝食を全くとらず、バットマンの絵が描いてある金の箱を嬉しそうに持って帰ってきた。

pasen1  余ったシールでP2が作ったイースターの飾り

それが終わるとすぐに王の日の準備。ベアトリクス女王が去年退位し、ウィレム=アレクサンダーが王として即位した。オランダでの国王の誕生日を祝う祝日「女王の日」は「王の日」に名称が変わり、祖母ユリアナの誕生日である4月30日からウィレム=アレクサンダーの誕生日である4月27日に変更となった。長い間「女王の日」と呼んでいたのでこの言い換えがなかなか難しい。

今年の王の日はパパが張り切っていた。皆が街中でフリーマーケットをする中、パパの所属する自転車チーム「Gaul」はWar Childのための寄付金を募る計画をしていた。このチームはCharly Gaulという有名な自転車競技選手の名前をとって結成され「Ride for War Child」という面白い運動もしていて、王の日の寄付金集めはその一つ。各地のGaulメンバーが何数カ所かに別れて集まり、皆で自転車をこぐのでその動きに対して寄付金を集めるというもの。メンバーはそれぞれ自転車のトレイナーを設置し、6時間こぎ続ける。

この祝日はオランダの子ども達が自分の持ち物を売ったり芸を見せてそれに対して小銭を稼ぐ日でもある。P1の特技と言えばもちろん自転車なので、、

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大人に交じって一緒に寄付金を集めたのだった!こんな小さな子が自転車に乗っているとまず注目され、かならず立ち止まって寄付金をくれる。大人達も「10ユーロ寄付すれば皆でスプリントします!」と言って面白いパフォーマンスをみせて寄付金を集めていた。

P1はもちろん6時間続けて自転車に乗る事はできないが(体力より精神力の問題で)初めの2時間弱は大人と一緒にがんばっていたらしい。P1が休んでいる間は他の子ども達が乗ったりして、小さな自転車が空になることはなかった。わたしたち女子はというと、Gaulのジャージを着てP1の為におもちゃを探す合間にGaulの説明をしたり。GaulはP1のいたこの場所だけでも800ユーロの寄付金を集め、各地の寄付金は合計で6000ユーロになったという。すごい、、、オランダ自体寄付することに寛大な国だと聞いていたが、大人だけでなく付き添いのない子ども達も寄付してくれたのは驚いた。こんな素敵な国オランダに住んでいることが嬉しくなった日であった。

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そんな充実した日を過ごした次の週からオランダの学校は5月の休みに入る。さて2週間何をしてすごそうかな!?

 

なかなか片付けられないお雛様

P2はプリンセス系が大好き。クラッシクバレエでも冠をつけているプリマドンナが好きだし、プレイモビールもドレスを着たお姫様がお好き。そんなP2が最近ハマったのは「お雛様」。

今年も前年のようにアムスのお友達を集めてひな祭り会をしたが、去年余り注目してなかったお雛様にP2はくびったけ。お友達の持っている雛人形は全部揃っていて人形も道具も小ぶり。小さいもの好きでもあるP2は箪笥の扉を開けたり閉めたりして会の間ずっと楽しんでいた。そしてこの会の為に私が準備した制作はお雛様の冠作り。P2はパパに手伝ってもらってゴージャスな冠を作って大満足。ただ豪華すぎて自分で冠るのは嫌だったみたい。。。日本人幼稚園でももちろんひな祭りの工作をして、出来上がったものをいろんな人に見せて自慢。そしてひな祭り後も制作を続けて楽しんだ。

「おひなさま」という言葉もP2にはまだ難しいので「おほしさま」「おひさま」「おひなさま」を繰り返しいいながら練習した。歌も何回一緒に歌ったことか。

というわけで我が家のお雛様をすぐには片付けられなかったのだが、今週末にP2と一緒にやっと片付けたのだった。

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季節の行事2 七五三 

七五三の時期がやってきたが11月で満年齢5歳と3歳のP1とP2の七五三をどうするかかなり悩んだ。アムステルダムには七五三をお祝いできるところがある。日本に帰る予定は当分ないし子ども達にお祓いをしてもらいたい。それにP2は従兄弟から譲ってもらった着物がある。だけど問題はP2、着るものに関して特にうるさいのだ。洋服でさえ気に入らなくてきてくれないものがいっぱいある。なのでせっかく着物があっても袖をとおしてくれない可能性大。二人ともお祝いするならP1の正装も用意しないといけないので簡単に決められず。。。でもいやがったらお気に入りのワンピースでもいいじゃないか!大事なのは七五三のプロセスであって着物ではない!と割り切って思い切って予約をとった。

七五三参りの朝、P2にはTVを見せながらまずは髪のセットそして着物の着付けをしてみた。時々いやがりながらもTVを見ていたのでごまかされたよう(笑)出かける時にはさすがにぐずったが、食べ物やおかしでごまかす。草履はどうしても履いてくれなかったので、どうせ神社では脱ぐし靴で良しとした。

私たち自身も少しきれいな格好をしていったが、行くのはもちろん自転車。子ども達はバックフィッツのテントの中に座らせた。パン、バックフィッツ、P1がカタログでシンタクラースからもらいたいプレゼントを選んでいる図、P2は着物だけど、それ以外はすべてオランダ。

kimono-bakfietsP2-fiets 草履にも挑戦してみたP2

海洋博物館に近いPaul de Leeuwさんの山蔭神道日蘭親善斎宮に到着すると、彼は穏やかに私たちを迎えてくれた。彼はヨーロッパでただ一人の神主で、1990年にこの神社をたてた。日本の山蔭神道で修行をつみ、1981年に神官として御祭、行法も伝授できる免許を取得したらしい。彼とは別のイベントでお会いしたことがあったが、彼の神社に向かうのは初めて。話をするとイベントで出会ったことを覚えていて、しかもかれこれ6年前の話だということにお互い驚いた。

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儀式の間子ども達は静かにしていたが、鈴を頭上で鳴らされる時にはP2は怖がって耳を塞いでいた。P1はなれない正座をしながら始終ニコニコ。儀式が終わると子ども達は千歳飴をもらって喜んでいた。懐かしい縦長の袋に飴が2本、お守りと手づくりの絵馬が入っていた。以前はオランダの飴だったそうだが、今は千歳飴を日本からもってくるらしい。少し食べると懐かしいミルキーな味がした。日本から持って来れない物もいっぱいあるだろう。神殿もきっといろんなところを手づくりをしてらっしゃると思う。

写真

写真をいっぱいとった後は海洋博物館に近かったのでそこでランチをとった。P2の着物に皆振っていたが、そのころにはP2も着物に慣れてきて博物館のホールではしゃいでいた。翌日はオランダのシンタクラース(聖人シントニコラス)が蒸気船にのってスペインからやってくるので街中シンタクラースムード、海洋博物館もシンタクラースの座る椅子を用意していた。その前でポーズをとるP2。泣き叫んで着物を拒み、儀式中にじっとできないことを予想していたがP2もおねえさんになったようだ。

P2_sinterklaas オランダで無事に七五三の儀式が済んで何より。